「アイスランドの感染状況から考えると、温度がさらに低ければ、代謝熱で脳内温度を調整するのが容易になるようです。」

「人間は、気温が低い方が脳内温度が適切に保たれるので、健康でいられるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアには、『250万年間の更新世の間には、北アメリカとヨーロッパで、多くの氷期、あるいは重大な大陸氷床の拡大期が、およそ4万年から10万年の間隔で発生した。これらの長い氷期は、温暖な短い間氷期で分け隔てられた』と書かれています。」

「更新世と言いますと?」と町会長。

「約258万年前から約1万年前までの期間です。」

「なるほど。進化論的に考えると、人類は長い氷期に適した、寒さに強い人が、淘汰されずに生き残ったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。アイスランドの季候は氷期の季候に近いので、脳内温度が適切に保たれるため、脳による内臓の管理が適切に行われるので、症状が出ない人が多いと推定しています。」

「新型コロナウイルスの症状が出るか出ないかが、脳の機能低下に関係しているということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。30年間若返りの研究をしてきて、最後にたどり着いたのが脳です。脳が経絡的に緩まなければ、若返りは起こりません。脳が緩めば、動体視力が上がるだけでなく、体力も上がります。内臓の機能も上がります。」

「なるほど。新型コロナウイルスの対策としては肺の機能を上げるのが1番だと思っていましたが、究極の対策は脳の機能を上げるということになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。江戸時代であれば、新型コロナウイルスの感染が広がることはなかったと思います。」

「江戸時代の人の方が現代人より脳の機能が高いのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。脳だけでなく体力も現代人より高かったはずです。しかし、江戸時代の人より戦国時代の人の方が脳の機能も高いし、体力も高かったと思います。」

「人間は歴史が進むに従って、脳の機能が低下し、体力も低下して来ているということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。人間は親子に経絡の連動性があるので、世代が変わるごとに脳の機能低下と体力の低下が進むことは理論的には理解していました。また、現代人が、突然、氷期に放り込まれたら生き残れる人はいないだろうということは容易に想像もできました。しかし、脳の機能低下が実感として感じられるようになったのは、詰碁をやるようになってからです。」

「詰碁をやると脳の機能低下が実感できるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。詰碁が40年ほど頭に引っかかっていたのですが、数年前から脳の機能低下を感じるようになり、詰碁をやることにしました。」

「詰碁が40年間も頭に引っかかっていたのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。今考えると、事の起こりは中学2年の終わりの春休みに登校したら、天野先生と言う理科の先生が、僕と高野誠と、もう一人誰だか忘れてしまいましたが、3人に宿直室で囲碁を教えてくれたのです。」

「それまでは、囲碁をしたことがなかったのですか」と町会長。

2020/6/9

<ムクドリ30>
320問は1時間以上かけたが解けなかったので、ヒントを見た。なんとその手は、僕の第一感で、10手先まで読んでいた。ヒントが指し示すところに黒石を打つと2手目は1時間以上考えた時の2手目ではなかった。しかし、この手も読んでいて、これで済むのなら、確かに黒先白死だ。しかし、白2を僕の第一感の2手目に打てば、生きているんじゃないかと思った。

僕は、こういう時には、作者に間違いを指摘したりすることはなかった。最初に取り組んだ詰碁のソフトは、『詰碁850』というソフトで、何が何でも自力で解こうとしたため、1問解くのに2週間もかかった。残念ながら、上級問題になると、2週間かけても解けない問題が出て来て、白の2手目を見てから考えるというような妥協をしなければならなくなった。『詰碁850』を連続して正解できるようになるのに5年もかかった。

自力で詰碁を解こうとすると、『この正解は間違いなのでは』と思うことがある。しかし、詰碁の初心者という自覚があるので、作者に連絡して間違いを指摘したりはしない。読みきれない問題がごろごろあるのに間違いを指摘できるはずがない。しかし、この問題は絶対に間違いだと思った問題もあった。それでも、間違いを指摘することはなかった。

ところが、このシリーズの『最強の問題730』というのを解いている時、絶対に間違いだと思った問題の類似問題に出くわした。この問題を解こうとしている時、絶対に間違いだと思った問題が間違いではないことに気がついた。衝撃が走った。詰碁は奥が深い。素人が間違いを指摘できるようなものではないのだとこの時悟った。だから、307問の間違いを指摘するようなことはしなかったのだ。<続く>

2023/5/23